たけちゃん先生の中学入試国語読解法講座

中学受験専門塾で20年指導を続けている筆者が、20年の間に確立した国語の読解法のヒントを綴ると共に、日々の授業の中であった中学受験生のリアルな現在についても発信していきたいと思います。

2020年度中学入試所感

こんにちは、たけちゃんです。

今回は私が今年送り出した受験生の結果から、私なりに考えた事を綴らせて頂きたいと思います。

現在、私の勤務している塾が横浜市にある為、取り上げる学校にかなり偏りがあると思いますが、そこの所はどうぞご容赦ください。

今年の中学入試が終わって、大きく前年度と違ったなと感じたところは二点ありました。

一つ目は中堅校が軒並み難化した事。

私の指導していた生徒の受験した学校で言えば、日本大学中、山手学院中、青稜中、関東学院中などが昨年に比べ、「狭き門」になったなという印象を受けました。

特に山手学院中の午後入試はかなりの「狭き門」だった様で、昨年までならまず合格出来たであろう実力を持った生徒たちが、こぞって不合格になってしまいました。

山手学院中の午後入試の難化については、昨年までは神奈川大附属中や中央大学横浜中などの共学難関校の併願校として人気でしたが、今年は所謂「神奈川御三家」の志願者達が多数参戦してきた為、難化してしまったのではないかと個人的には考えております。

二つ目は入試問題の出題形式の大幅な変化です。

例えば、私が家庭教師で指導していた生徒の志望校であった鎌倉学園中ですが、学校説明会で最後の大問を資料や会話文を読み、それについてわかったことや、意見を書くという問題が新たに追加されることが発表されました。

お母様よりこの情報を伺った際に、私はおそらく公立中高一貫校型の問題が出題されるだろうと予測し、それまでのオーソドックスな国語の指導に加え、適性検査型の問題の対策も行っていきました。

その甲斐あってかは分かりませんが、その生徒は見事に鎌倉学園中の合格を勝ち取ってきてくれました。

他にも私が塾で指導している生徒に、入試の終わった後、日本大学中の問題を見せてもらったのですが、従来の選択問題と抜き出し問題ばかりだった問題とは異なり、記述問題が新たに出題されていました。

おそらく、こういった私立中学における入試問題の出題形式の変化は、今年騒がれた大学入試の記述式問題導入の改革を受けての事だったのでしょう。

結局、大学入試における記述式問題の導入は見送られましたが、おそらく大学入試でも早晩何らかの出題形式の変化が予想されますし、現在の教育の流れも「暗記型教育」から「自ら課題を見つけて、問題を解決する教育」へと移り変わってきています。

おそらく来年度以降も「思考力」や「表現力」を重視した出題傾向が増えてくる事でしょう。