コロナショックと臨時休講
2020年3月4日、経済産業省からの要請により、私の勤務する塾も3月15日まで全面休講となりました。
学生時代のアルバイトも含めると、約25年間塾講師を務めて参りましたが、これだけの長い期間休講になったというのは初めての経験です。
ほぼ首都圏の塾に勤務していたので、東日本大震災の時も、震災当日こそ休講になりましたが、翌日からは通常通り授業をしておりました。
二週間の臨時休講は、どこの塾さんも軒並み実施されたようで、生徒さん、保護者様にとっても、大いにお困りになった事と思いますが、我々塾側にとっても、この二週間はかなりイレギュラーな対応を取る事となりました。
ご家庭にはメールにて休講のお知らせは配信しているのですが、現在はメールを開かない保護者様も中にはいらっしゃるので、休講の連絡を教室スタッフ全員で分担して、全家庭に電話にてお伝えしました。
予定していた授業は映像配信。模試も自宅受験となりました。
しかし、何より今回の休講で痛感したのは、「塾講師は授業をやってナンボ」という事でした。
「子供たちの顔が見られなくて寂しい。」なんていう感傷めいた事を申すつもりはありません。
自分が徹底的に予習した教材で、思い描いていた通りの授業が出来た時の快感は、他には代えがたい喜びがあります。
全く授業の出来ないこの2週間がどれだけ辛かったか…。
そして、3月13日。本社より3月16日からの授業再開が通達されました。
やっと授業ができるという喜びと共に、この2週間のブランクが授業に影響しないだろうかという不安もありました。
自分の頭の中で思い描いていた授業の展開と、実際の生徒たちのリアクションが異なってしまう事は普段の授業に於いてもままある事です。
それが2週間も間が空いてしまったのですから、自分の思いとは裏腹に授業が空回りしてはしまわないか心配だったのです。
そして迎えた3月16日の授業再開日。私の心配は杞憂に終わりました。
生徒たちは私たち講師以上に授業に飢えていたのです。
学校も無く、塾まで休みになってしまったこの2週間、私の想像以上に生徒たちは授業に飢えていました!
お陰で授業は休講前よりも、程よい緊張感の中、生徒たちが意欲的に参加してくれ、最高のものを作り上げる事が出来ました。
今年の受験生にとってはコロナによる臨時休講という、例年の受験生にはなかった試練がありましたが、その分授業の大切さや授業を受けたくとも受けられない辛さというものを得る良い経験ができたのではないでしょうか?
もちろん私も、今回の臨時休講で授業が出来ない辛さを経験出来たので、今後もより一層、毎回毎回の授業を大切にして参りたいと思います。